紙と皿のあいだ

本の感想とドールや猫の写真とか

PARCOのゴジラ


渋谷パルコが閉館する前に撮ったもの。

渋谷文化の中心を担っていたと言われるPARCOだけれど、個人的な思い入れはさほどない。
いわゆる渋谷系ムーブメントとは若干ズレた時期に青春時代を迎えたため、渋谷の中心というならば、むしろガングロの屯するセンター街という印象がある。
トットリアレーベルのCDなら下北で全部買えられたし、レンタルショップにはインディーズも揃っていた。初回盤が欲しければDORAMAに行って中古で買えばよい。
渋谷のタワレコにはアニメやゲームのサントラCDの取扱いがなかった、あの頃の話だ。



数少ないPARCOの思い出というとやはり『TAMALA2010』だ。
http://www.tamala2010.comwww.tamala2010.com

特に理由は無く映画ぴあをチェックしだし、渋谷TSUTAYAのチケットショップで前売り券を購入するようになったのがこの頃で、特に理由はなく気になる映画を見にシアターに通っていた。
シネクイントにはこれと『ハッシュ!』くらいでしか使わなかったので印象が焼きついているのかもしれない。『TAMALA2010』の前売り券付録はタマラのキューブリックだった。
でも、この二作だけということは絶対にない。だってオープニングのタマラの遠吠えを「まだこのキャラ使ってんのか……」と思ったことが後に2回はあったはずなので、それ以後にも来ているはず……。


あとは展示会にも2回ほど行った。タカノ綾の個展と、よつばとタンボー展。

パルコアート | PARCO ART
www.parco-art.com

ダンボーの方は記事にしてたか。
kamanobe.hatenablog.com

それほど大きくない会場だけれど、どちらも作品との距離が近くて親しみやすい展示だった。タカノ綾のB2のポスターは未だに手元に残している。


あとは『Sync Future』のパルコ特装版を買いに行ったこともあった。
ハヤカワのSFマガジン50周年に企画されたアートブックで、著名アーティストが有名なSF作品のイラストを描くという企画。磯光雄飛浩隆の『グラン・ヴァカンス』を描いていて、そのピンナップがオマケにつくというから売り切れてやしないかとドキドキしながら駆けつけたんだけど予想以上に売れ行きゆっくりで楽勝でゲットできた。確か、その後お台場に移転することになる、ノイタミナショップでの販売だったような。

http://www.lpei.co.jp/sync_future/?p=318www.lpei.co.jp

vsmedia.info

AR連動企画……そういえばそんなカードももらったような気がするけど思い出せない。
なんか当時ムーブメントだったんだよねAR。セカイカメラが出てきたのもこの頃だった。
『Sync Future』通常版はまだAmazonで新品が買える。



あとはブライスのショップもあったな。
kamanobe.hatenablog.com
このところはすっかりオタクショップが増え、逆にサブカル色は薄くなる。というよりフロア全体のイメージが明るくなっていったように思う。




これはジャンプキャラの格闘ゲームでも出たときに設置されていた等身大?フィギュア。



などと片手で数えられるくらいの PARCO の思い出を振り返ってみたものの、どうにも乏しい。メインで使っていたのはリブロを筆頭に地下ばかりでそちらは数え切れないほどお世話になったが、洋書コーナーが消えて以後は普通の本屋になってしまったので書き記すほどの思い出もなく悲しい。あるといえば一般流通していない『生活考察』を仕入れてくれていたので一時期は最新号が入荷していないかチェックしに足繁く通っていたという記憶くらいだ。
あ、町田町蔵もとい康のサイン会に参加したこともあったか。中学生くらいの頃、超(むしろ俄で人物に対する情報知識は皆無なんだけどめっちゃCDリピートしまくってたので思い入れがあるというような)ファンすぎて何も言えずただ握手をし、その横で母親が何か言い伝えていたのと「ありがとう」という町田・オッサン・康のぼんやりとした記憶だけが残っている。


本屋といえば思春期の頃、それこそ開店以来ひたすらに通い詰めていた新宿の紀伊国屋南口店の閉店の方がよほどショックなのだけれど、ここ十年で何回通ったのかと振り返るとほとんど覚えもなく、それは大体 Amazon のせいで、しかし kindle に身を浸食された今となってはもう取り返しもつかないのだった。
なんだか「もうずいぶん長く生きたな」と感じることが多くなった。


ゴジラの写真に合わせるためだけに書かれた文章です。