紙と皿のあいだ

本の感想とドールや猫の写真とか

「ユーリ!!! on ICE」の話・1

前略。
kamanobe.hatenablog.com



ユーリ!!! on ICE』 のオールナイト上映のライブビューイングに参加し応援用のうちわを貰ったが勿体なくてシールを貼らずじまいだったという写真です。


鑑賞前にカツ丼食いたか!と、とんかつ屋に入ったらメニューになかった……。
ヒラカツカツ!


上映イベントにつきもののスケジュールパネル。

横浜の映画館のシアターを6つ全部占有していて驚いた。満員であったとしたらこの館だけで観客は千人を超えるということになる。トータルで一体何人が観覧していたんだろう?
抽選予約の一次募集では新宿の公開は一館のみでしたが、二次募集では新宿のほぼすべて(角川のあそことか除いたメジャー館全部)が選択できるようになっており、もちろん東京には渋谷も六本木も新橋も有楽町も(略)さまざまな東宝系列の映画館があるんです。すぎょい。




https://twitter.com/kamanobe/status/830501548912373760
予想外に大画面鑑賞の価値のある作品だという気づきがありました。

https://twitter.com/kamanobe/status/830522128596234241
久保ミツロウ太が「ユリオのキャラデザは自分の中にある金髪碧眼の系譜。ラビとか」と発言したのに会場内の反応が薄かったことにジェネレーションギャップを覚えました。

https://twitter.com/kamanobe/status/830524353305468928
すべてのショタコンの魂の根源に位置するのがグランゾートのラビです。

https://twitter.com/kamanobe/status/830525403919847425
魔動王グランゾート」のアニメ・作品ページ | バンダイチャンネル #bchanime https://t.co/ncoUGhX97K ラビの一世を風靡した度は忍たまのきりちゃんくらいですかね。

https://twitter.com/kamanobe/status/830624886347292672
グランゾートのラビが気になる奴は何とかしてOVA前後編「最後のマジカル大戦」見ような。

https://twitter.com/kamanobe/status/830577516876173313
ゆーりおんあいす、原理はよくわからないが、やはりめちゃくちゃ面白いアニメなのでは……という結論。

https://twitter.com/kamanobe/status/831808212902912000
ユーリ!!! 関係の広報はすべてミツロウが受け持つと山本監督と取り決めしてるっぽいのブロマンスの類型だと思うので、ミツ子と沙代でやおい萌えしてる人の気持ちすごいわかる。ジブリの駿とパクさんとか、型月の社長と菌糸類とかみたいなやつ。わかる……。

https://twitter.com/kamanobe/status/831842673161932800
だからヴィクトルはカヲル君じゃなくてミサトさんなんだよ!勇利はすでにカヲル君を身の内に取り込み自己実現を果たしたシンジであり、彼が夢を追い続けるには何が必要なのかって話なので、14才と23才では見ているものも戦うべき相手も何もかもが違うんだ。

※この場合の「カヲル」=シャドウ(理想の自分)。ヴィクトルは勇利にとり理想ではあるが実在する人間だという事実が『ユーリ!!!』本編10話を通して語られる。対して渚カヲルはシンジの完璧な理想であるために人間としての実体を持たない。

※※ミサトの設定(親子関係、引きこもりの過去など)は意図的にシンジと相似の形を成している。未来の自分が過去の自分を導くという、立ち位置だけならばシモンにとってのカミナ的な「兄貴」なのだが、ジェンダーエヴァという作風が単純な落とし込みを拒んでいる。

※※※部分的な性格だけなら勇利はミサトの性格に割と似てるような気もする。まあミサトさんアレで派手だから属性的にはヴィクトルの方なんだろうしメンタル強いしで全然違うけど、昭和のオヤジギャルっぽさとか照れた末の開き直り方とか逆ギレの仕方とかのあたりです。
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https://twitter.com/kamanobe/status/831844670309150720
ヴィクトルは実際的なロマンティストで、ムードがコンディションを作り上げることを知っていて儀式を重視するタイプなのでその意味で現実主義者だが、勇利は実利的な夢想主義者でひとつの天啓さえあれば全部を持っていけると考えており、要不要を完全に主観で判断する。

https://twitter.com/kamanobe/status/831846180929691648
主役の二人はそれぞれロマンチズムの解釈が違うなという話です。ユリオは一番素朴で目に見えているものしか見ない。

アニメ(ーター)見本市のアレからこっち山本沙代監督とは根本的な美意識がとことん合わんなという感想ですが、それはそれとして「ユーリ!!!」は様々な意味で最先端です。ここまでアニメとしても脚本としても映像としてもスタイルとしても練られ、かつ実践されたものを観られる幸せ。まさに僥倖。
基本的な鑑賞スタイルはキャーッ平松ーーー!!!でしたが、最終的には虜です。アニメは総合芸術!!!!!


めぼしいアニメーターに金と場を与えて好き勝ってに作らせるというカラー&ドワンゴの企画にて、『ユーリ!!!』の監督がTVシリーズの資金集めのために作った(ような感じらしい)短編アニメです。

ニコの公開は終了してるので転載ですが、見る度に『スペース☆ダンディ』を思い出してしまいいけない。


キャラデザ原案が同じ人なんだ。


「スケート+マンガ」のテーマは同監督が担当した『ペルソナ5』の OP にも引き継がれていますね。
こちらはリアル志向の『EN』『ユーリ!!!』と違い外連味たっぷりのモーションです。しかしカメラワークめっちゃくちゃ気持ちいい。

ペルソナ5』はゲームのインターフェースの演出にマンガ/アニメ的なモチーフを多用しているので、逆に『メ(ーター)市』を見た担当者が親和性を覚えて依頼したのかもしれません。めっちゃハマってます。


ユーリのPVとOPも貼っておきますね。(ここは管理人がその後の人生の様々な地点から、過去を振り返る用のブログです)


TVアニメ「ユーリ!!! on ICE」PV


Yuri!!! on Ice Opening


他にも面白かったファンダムの動画がいろいろあったので、こちらの記事にまとめました。
kamanobe.hatenablog.com


海外の反応関連だと頭どころか一馬身抜けている「かいがいの」さんの翻訳記事がすごい面白かったです。
blog.livedoor.jp
セクマイ理解が進行している(というかLGBTQアクティブな)ぶん、ナチュラルにゲイカップルのラブストーリーとして受容している。作り手の視座が明らかにそれを考慮しているため、リアルタイムの視聴の度にSNSが多言語で賑わうのにも、ちゃんと届いてるな〜という反響の楽しさがありました。
「差別はいけない」だから存在しないということに建前上はなっている。ならフィクションは、その絵を具体化して示す。そのタイミングが今です。海外ドラマにはゲイやバイのキャラクタが「あたりまえにあるもの」として出てきますが、日本のアニメがその価値観を初めて示したのが『ユーリ!!!』でした。
「被差別者」や「マイノリティ」としてではなく、ナチュラルに、ヘテロと並列する存在として描かれている。これは現状の日本のメジャーなフィクション作品としてはとても先進的な姿勢です。ちょっとすごいし、そのスマートさが作品全ての要素に通底しているところが『ユーリ!!!』の革新性です。何でもないことのようにスゴ技を披露している。あらゆるステロタイプの破壊ではなく再解釈。その先にあるのは人間性や愛という泥くさいテーマなのに洗練されている。大人のアニメです。が、大人だけのものでもない。
雑誌のインタビューでスケート原画の方が「極限までやってやった。『もっとやれたはず』とは思わない」というようなことを述べておられましたが、まさにそれで、頭が上がらない……ではなく、頭を下げなくてもこんな作品が観られるという奇蹟に感謝って感じですね。でも奇蹟でもなく現場の人の頑張りのおかげです。
円盤全部買うよ!

で、話を戻しますがその一方で、これは国内の視聴者もそうなんですが、演出へのふつうならあり得ないような曲解も海外感想にそこそこ見かけられて、逆に普段アニメを観ていない人まで取り込まれているんだなと感じられ、これもまた面白かったです。



勇利のねんどろはとりあえずポチりました。
今年の目標は「一体も増やさない」でしたが……主語をボカしておいた甲斐があったな……。
カップリングとしてはユリ勇なのでヴィクトルはスルーできるけどユリオが出たら……屈するね……。ボディはどうしよう……。

ameblo.jp
カホたんブログのテンションが過去になく最高にきもちわるくて801ちゃんと同じ中身が出ている。



円盤もアニメ雑誌もあらかた買っている。完全にやられているぞ。



買って読んだうちで特に内容が充実していたのは以下の3点です。

別冊で特集されています。放映中に発売されたため俯瞰した内容ではありませんが数十ページもあるので中々の読み応え。

スケート実制作関係のインタビューでは一番切り込んでいると思います。技術的な苦労話はどこでもされていますが、実作業が一番詳しく語られていたのはこれかと。
特にスケート原画や、物語部分にまで踏み込んでいる演出陣の話が面白かったです。

腐っても批評誌ということで、作品の各部署に振り分けたインタビュー記事があり充実していました。
この作品は監督とプロデューサーが表に出ない代わりに原作(者の片割れ)のミツロウが宣伝部長をやっているんですが、さすがに出ずっぱりもアカンと思ったのか、最近は平松が引っ張りだこです。ありがたい。

後はアニメスタイルの本気を待ちわびるばかりだ……お前が動いてくれないと意味がないんだよ!
あと続編なり劇場版なりの決定打に合わせてユリイカ別冊の刊行を超期待している。 SOGI 的な YOI ガチ批評読みたいですね。


あとこれ、一般誌のアニメ特集としては白眉の出来でした。広範ながら購読者層にマッチしつつ、決して手抜かりのないガチのアニメ特集号。完全保管版です。
Amazon レビューで評価を低くしているのは特定作品の情報目当てで買うひとだけじゃないですかね。それは専門誌の仕事であって、広範な「アニメについて」の特集としては文句つけようがないです。
作品紹介が特によくて、読者を舐めていない……それ、本当に大事……!という核心を貫いています。真面目にアニメに興味がある人向けに仕上がってして、そうか、アニメってサブカルチャーもここまで市民権を得たのだなと目蓋が熱くなりますね。

[asin:B01N183ECD:detail]
kindle 版もあるよ。



しかし今さらですが、夏の『君の名は。』引き続いての『この世界の片隅に』の大ヒットは言うに及ばず、『同級生』『聲の形』『心が叫びたがってるんだ。』といい、2016年のアニメ映画の出来の良さはどうかしていた。
今年も湯浅政明夜は短し歩けよ乙女』、神山健治『眠り姫』、米林宏昌メアリと魔女の花』の公開が決まっているしハヤオは案の定戻ってくるしでアニメ映画やばい。

*1:他のアニメの話するときにエヴァ語り出すの止めなよ!!!!!!!!!