写真がヤフーのまとめサイト「TRILL」に無断転載されていたので削除を求めた・2
こちらの記事を書いた後、Twitter で TRILL 公式アカウントとライターの mion さんリプライを送りました。
.@TRILL_OFFICIAL 写真の無断転載の件についてブログにまとめさせていただきました。ご対応よろしくお願いいたします。 https://t.co/OuXPbCMSi1
— さるそぱ (@kamanobe) October 4, 2016
公式アカウントは記事の共有しか行わない自動更新の bot のようで一日経ってもお返事はありませんでした。(今に至るまでアカウントからの返事はない)
仕方がないので、ライターのアカウントにも連絡を入れました。
@fu____wafuwa 初めまして。あなたの書かれたTRILLの記事に私の撮った写真が無断で転載されていました。TRILLに削除要請をお願いしましたが何の返答もありません。文責者としての対処と働きかけをお願いします。また、今回の窃盗についてどうお考えかお聞かせください。
— さるそぱ (@kamanobe) October 5, 2016
@fu____wafuwa 詳細は以下の記事にまとめております。誠意のあるご対応をお待ちしております。 https://t.co/U6jcb6q2rh
— さるそぱ (@kamanobe) October 5, 2016
もちろんメール二通への返答もありません。
IT系企業は機動力が要ではなかったのか……?
不思議に思いつつ次の一手を講じていたところ、ライターのブログや Instagram がどんどん非公開になっていきました。
動きが出てきたということです。
もしかして、とメールをチェックしたところ TRILL 編集部から削除したとの連絡が来ていました。
さるそば様
TRILL編集部です。
この度はお問い合わせ、ご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
また、ご返答までお時間を要しましたことをお詫び申し上げます。お送りいただきましたURLの記事について確認を行い、ご指摘の通りの事実を確認いたしました。
そのため、本日21時40分頃に該当記事を削除いたしましたので、ご報告させていただきます。
上記につきまして、大変お手数おかけいたしますが、ご確認の程、お願い申し上げます。この度は、ご迷惑をおかけしましたことを、重ねてお詫び申し上げます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
TRILL編集部
謝罪の言葉はありますが、その理由が「ご迷惑をおかけしたこと」とはどういうつもりなんでしょう?
「あなたの写真を盗用したこと」を明文化し謝罪すべきでは?
犯罪を行っておいて、不利益を与えた相手になんら弁明なしというのは都合が良すぎるのではないでしょうか。
ここまで対応が遅くなったのも内部調査を行っていたからではなさそうです。
削除要請のメールに「メールチェックは遅くなるので、削除したら該当記事(画像の転載元)にコメント欄に報告してください」ともお願いしていたのですが、それも無視です。
行った罪はなかったことにはできませんが、きっちり片を付けたと表明する場所を設けたつもりでした。が、それも出来ない。表だった場所で謝罪する意向はない、ということなのでしょうか。
TRILL には前科があります。
スポンサー広告の記事をPRと明記せずにいたのです。
この事件の際、ヤフーはこのようなコメントを出しています。
ヤフーは今回のTRILLの件について、ユーザーに対し「広告記事を編集記事と誤解を招くような表現があったことを深くお詫び申しあげます」と謝罪するとともに、「現在、グループ会社を含め自社メディアがメディア倫理に照らし適切な運営が行われているか調査を行っております。開示すべき事象が確認された場合には速やかに公表させていただきます」と、引き続き媒体がメディア倫理に適切かどうか調査していく姿勢を示しました。
この声明を信頼するならば、TRILL 編集部は今回の画像窃盗について公式の場で謝罪すべきです。
また、公開されているすべての記事に対し同様の事例がないか調査を行い結果を発表するべきでは?
メディアとして、誠意のある謝罪とはそのようなものだと考えます。
なのでこのように返信をしました。
先ほど該当記事を削除したとメールがありました。「削除したら元記事にコメントを」という部分はスルーです。表だつところで謝罪するつもりはない、ということなのでしょう。あまりにも馬鹿にした態度だと思いましたのでこのように返信しました。 pic.twitter.com/rArUFSbSVd
— さるそぱ (@kamanobe) October 5, 2016
また、実際に転載を行ったライターからはなんの弁明もなかったため、再度リプライを送りました。
@fu____wafuwa 先ほど、編集部から該当記事削除のご報告をいただきました。ご担当の mion さんからは何かお言葉はないのでしょうか。ライターのお立場から今回の件について、どのようにお考えなのか聞きたく思います。
— さるそぱ (@kamanobe) October 5, 2016
この後、形ばかりの謝罪が ダイレクトメッセージで届きましたが、彼女は私のHNを「ざるそば」と誤表記しており、私が問いかけた「ライターとしての考え」については何ら中実のあるものではありませんでした。また、その後のメッセージは途切れています。
DMが頭出しの一通だけで終わらず、何らかの言葉が続くことを祈っています。
そもそもが二年も前に公開された記事ですし、プロが撮ったでもない写真だからと甘く見られているのはわかります。
ですが、日本屈指のもはやインフラと言っても過言ではないヤフー傘下のメディアサイトがこのような低俗、いや、それすらない倫理観で動いているだなどと、正直恥ずかしい話だと思います。
要は企業のモラルの話なのです。
TRILL がこの方針を続けるのならばメディアとしての信頼をどんどん失っていくことでしょう。
ヤフーに対しても同様です。
削除された記事の跡地。
以下の文章は、転載記事が削除される前に書いたものです。私以外に転載されていた写真をまとめました。
重大な誤解についても触れているので、興味がおありでしたらお読みください。
〜〜〜〜
件の転載記事(→魚拓1、2、3)ですが、ここに転載されている写真は私のものだけではありません。
せっかくご丁寧に元リンクが貼ってあるのでまとめてみました。
weheartit.com
まずトップ画像として大きく使われてるこの写真。もちろん転載です。
ガチであきれる話なんですけど、これ韓国製の「プーリップ」というドールでブライスじゃないんですよね……。
詳しくない人にはメインビジュアルに起用されている「ネオブライス」と同じものに見えるかもしれないですが、明確に別物です。
ネオブライス ショップ限定ドール ヘンリエッタズ ホームパーティ
- 出版社/メーカー: タカラトミー
- 発売日: 2016/07/15
- メディア: おもちゃ&ホビー
- この商品を含むブログを見る
Pullip ALICE in STEAMPUNK WORLD (アリス イン スチームパンクワールド) P-151 約310mm ABS製 塗装済み可動フィギュア
- 出版社/メーカー: グルーヴ
- 発売日: 2015/06/21
- メディア: おもちゃ&ホビー
- この商品を含むブログを見る
おわかりでしょうか。フェイスラインの丸みと鋭さ、まん丸目とアーモンド型のアイなど、頭が異様にデカいこと以外の要素は大きく違います。
ブライスがアメリカ由来のオモチャっぽいポップさを売り物にしているのに対し、プーリップは端正な顔立ちをした耽美なイメージのファッションドールなのです。
プーリップ ティフォナ (Inncent World) P-016
- 出版社/メーカー: グルーヴ
- メディア: おもちゃ&ホビー
- この商品を含むブログを見る
そして何よりも問題なのは、「プーリップ」はドールカルチャー展には参加していないという事実。
ドールカルチャー展は「タカラトミー」「マテル」「ボークス」のドールをメインとした展示会です。(おそらくこの三社が出資)
無関係の他社商品を、展示会の紹介記事のトップに使うなんて、きちんとしたメディアではあり得ない仕事です。
編集部がチェックできないならば専門知識を持つライターを使うべきですし、逆も又しかりです。
下調べもこなせない人材が、由来不明の写真を使ってはいけないという例ですね。
また、そのような低レベルな記事に自分の写真を使用されるのは大変な屈辱です。
そもそも引用元からして転載なのに、平気でそれを使用してしまう神経がわかりません。自分が不案内なジャンルなのに、確認を取らずに採用するなんて間違いが起きないか不安にならないんでしょうか?
記事を発表するという仕事への責任感が欠如しているとしか思えません。
転載ばかりでまとまりのない記事にテーマと独自性を持たせようと、脳内にあった「kawaii ドール」をキーワードに写真を探したのでしょうが、結局は借り物。
さらに完全に的を外していたなんてお粗末にすぎます。
ちなみに元写真はおそらく Flickr にアカウントを持っていた Agassi Tjong というドール・フォトグラファーの作品だと思うんですが、元画像は flickr のアカウントごと削除されているので実物はチェックできないんだよな……。
webgram.co
ここでちょっと触れてますね。
左上のプーリップはカスタマー Poison Girl´s Dolls の手によるカスタムのようです。
プーリップは詳しくなかったんですが、今回調べて素体がオビツ並みの可動域を持っていることを知りました。
dot.asahi.com
宣材のメインビジュアルは朝日新聞から引っ張っていました。
ヤフーがバックにいるようなしっかりしたメディアなら、取材先に電話一本で宣材くらい都合してもらえるのでは?
その手間もかけられないくらい、イベントに興味なかったんでしょうね。
otajo.jp
国内ファッションドールがズラッと勢揃いした写真の転載元は、ウェブライターをされている、ふじいりょうさんの記事です。
展示の見所を的確に解説されており、実際に現地を足で踏んで取材されたんだろうということが読み取れます。
メインビジュアルは増田セバスチャンが担当してたんですね!知らなかった。
写真も(念のため)画像検索にかけましたが引っかからないので、おそらくご本人が撮影されたものだと思われます。
日中の撮影らしく光がよく回っているし、ピントの具合からいいカメラを使ったものに見えますね。
さすがにプロは仕事道具もしっかりしています。
ご本人のブログは↓
yaplog.jp
Twitter で公開されていた写真もちゃっかり転載しています。
今日の思い出。どのドールも素敵でした #ドール・カルチャー展 pic.twitter.com/OHFxlJNzop
— まゆさん (@biscolette) September 18, 2014
スーパードルフィーの写真を2点、ここから拝借しています。
マッドハッターの人気の秘密は帽子でも青木でもなく、 SD GOU 雪之丞のワンオフという根源的理由のような気がします。
#ドール・カルチャー展 内覧会
— 小栗まこ (@ogurimako) September 12, 2014
私のリカちゃん、まだ実家にあるかな? (c)TOMY
※特別に撮影の許可を得ています#Bura_Bi_Now pic.twitter.com/08txRSPbJC
リカちゃんの写真は別の方から。
ツリーに reply がないので無断転載だ、と断じるのは早計でしょうか。
バービー、ブライスと土産店舗の写真は以下の2つの個人ブログからの転載です。
どちらも会場の雰囲気を伝える写真満載のすてきな記事ですね。
Doll closet CLUB さんは西日暮里でドール用品の販売イベントや、ドール服の教室などを開いたり、(正しい意味での)同人誌を発行されたりなどの活動をされています。
ファッションドールのへの造詣も深く、イベント記事もぜひ実際に行ってみたくなるような丁寧なレビューを書かれています。
会場の限定品の写真はすべてニュースサイト「アニメ!アニメ!」から転載です。
宣材資料をもらう為の手間を惜しむ所業再び。
まあ「メールするの面倒なんで、あそこのサイトからDLしてください。どうせ同じものだし」と担当者に投げられるパターンもありますけど、その場合はわざわざリンク貼らないよね……。
animeanime.jp
animeanime.jp
animeanime.jp
animeanime.jp
animeanime.jp
他、ドールカルチャー展の公式サイトや Twitter アカウントからも転載していますが、ドメインの契約切れで消失していました。
さて、ここまで「転載」と書いてきましたが、この行為はむしろ剽窃です。
完全に窃盗罪です。
剽窃ってわかりますか?ドロボーのことです。
窃盗罪とは?泥棒のことです。
TRILL とライターの mion さんは、我々の写真を盗んだのです。
元記事にリンクを貼ればすべてが「引用」として済ませられるなどという意識が一部のキュレーションメディアにはびこっていますが、これは唾棄すべき悪習だと思います。
なんでダメかについては先人が散々口を酸っぱくして説いていますが単純なことです。人の仕事を横取りしていっぱしのメディア面するなどと、いけずうずうしい。
ましてやネットのプールを薄めるだけの所業が賞賛されるわけねえだろバカヤロウ(ビートたけし)の一言に尽きます。
実際、転載された記事は引用の条件である「主従関係」が逆転した内容に堕しています。
あの記事は写真が主役であり、それ以外にみるべき箇所などひとつもありません。それどころか事実関係を錯誤している有害な記事です。転載元を読む方が百倍も有益ですし、その意味では TRILL の記事はインターネットの情報を汚す害悪です。
なぜそんな邪悪な記事が生まれてしまうのか?
PR 記事以外は PV を稼ぐための埋め合わせでしかないため手段が目的化しているところに、肝心のライターがまともな指導すら受けていない素人だからです。
そんな素人を起用する編集部、その編集部を下支えする企業は何を考えているんでしょうかという疑問は愚問で、つまり金です。
✨️ 💴 💰 💵 ✨️
お金のことをきっちり考えているんだとしたら、使用した素材にもお金をきっちり払うべきでしょう。
そうです、私に💴を渡すべきです。編集部がライターの養育をケチり、カメラマンを雇うことをケチった結果の費用が、私に流れてくることになるわけです。
あなたは何ら損などしていない。正当な対価を払いなさい。みんなで幸せになりましょう。
あなたの売る「商品」そのものである記事が、すべて他サイトから成り立っているなんて、商売としてあり得るのでしょうか?
虚無から💰を生むなんて、まるで錬金術みたいですね。少なくともきちんとした仕事ではありません。
そんな当たり前の手間すら惜しむ邪悪なメディアなんて生まれてこない方が世のためです。今からでも遅くないのでネットワークに泡となって消えてください。
もうそんな時代じゃなくなってきていることには気づいてるんでしょう?いっそきれいになって生まれ変わればいいんじゃないかな……ゼウスのペニスから生まれたヴィーナスのように……。
ちなみに、この記事を書いたのは他の転載された人にご連絡を差し上げるためです。
利用料請求まで行ったら「アンタも……乗らない?」と声を掛けるためのまとめです。
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でした。
前回の記事に「削除要請ではなく利用料請求の方向に動いた方が健全化を促進するのでは」というコメントをいただきましたがその通りだったなーと思います。
これで終わりになるのはどうかと思うので、バズりやすい Togetter で顛末のまとめを作り、(TRILL は相手にしてくれないので)ヤフーさんに意見を求めようかと考えています。
おわり。
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