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写真がヤフーのまとめサイト「TRILL」に無断転載されていたので削除を求めた・3

この記事は以下の過去記事に続く最終報告です。

kamanobe.hatenablog.com
kamanobe.hatenablog.com


結論としては順当な解決をみました。
以下、ツッコミを入れれば相応の反映がされるという状況のまとめです。



写真がヤフーのまとめサイト「TRILL」に無断転載されていたので削除を求めた・2 を投稿してから半日後、 TRILL よりメールの返信がありました。

さるそば様

お世話になっております。
TRILL編集部です。

昨日、本日と大変お待たせしてしまい、申し訳ございませんでした。
ご指摘いただきました件に関連して社内調査や、それを受けた対応を行っており、お時間を頂いておりました。
また、お問い合わせへの対応窓口につきましてはメールに一本化しており、ご不便をおかけいたしますこと、ご了承いただけますと幸いです。

貴ブログにおきましては商用利用について一報が必要と書かれているにも関わらず、それを見落としたことがまず落ち度であると考えております。
当時の社内規定では、制作の過程において、外部サイトの画像等をサイト管理者様の許諾を得ずに利用してしまうケースがありましたため、2016年7月に社内規定を改め、事前に画像等の利用可否を確認するように見直しました。この際に社内規定変更前の過去記事に対する確認に不備があり、ご指摘いただいた当該記事が残っておりましたため、昨日削除しました。

また、過去の社内規定に基づいて制作した他の記事につきましても削除し、さらに社内規定変更後の記事についても不備がないか、現在社内で調査を行っております。
上記の社内規定の変更に関する削除対応につきましては、近日中にTRILLコーポレートサイトでお知らせし、TRILLサービスサイトからもリンクを設置します。

この度は、ご指摘をいただいたことに感謝いたしております。
しかしながら、今回大変ご迷惑をおかけしたことは重く受け止めており、心よりお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした。
制作・編集の体制や運用方針を改めて見直し、信頼していただけるメディアとなれますよう、記事の品質向上に取り組んでまいります。

なお、記事につきましては、編集部の方針に従って各ライターが制作しております。
ひとえに編集部の責任であり、ライター個人へのお問い合わせはご容赦いただけますようお願いいたします。

最後に、この度は大変ご迷惑をおかけしましたこと、改めてお詫び申し上げます。


TRILL編集部

以下はそれに対する私からの返信です。

TRILL編集部 御担当者さま


ご返信ありがとうございました。
初めてコピーアンドペーストの定型文ではなく、編集部全体のご意向を伺えたように感じ嬉しく思っております。

ブログの方に記載した疑念に対してもご回答をいただけたため、今回の対応がなぜこうなったのか、編集部の方針の現状についても納得がいきました。


率直に申し上げますが、無断転載を発見した者はその時点で自分の被害者意識を大きく膨らませています。(実際に被害者なので)
自分の生み出したコンテンツを盗用され、帰属性を剥奪されることはネット上での人格を無視されることと等しく、その上で申告の文章を軽く扱われることは、全く気分の良いことではありません。

御社の規模の場合、記事削除の承諾までに時間がかかることは推測できます。そのため、先のメールには「一週間」と期限を明記しました。
ただそれ以前に何らかの形で御一報はあると考えておりましたし、削除の御報告にしても経緯を何らご説明をいただけなかったこと、またこれで本件を片付けようとする意図が伝わってくることを大変悲しく感じておりました。


現在の編集方針から取り残された記事だったこと、今後の対応について把握いたしました。
これを機に古い膿をだしきり、メディアとして改めて刷新されることかと思います。
個人的にキュレーションメディアの精度は情報速度と編集者の腕にかかっていると常々考えております。
webに限らず、メディアに求められる倫理観は時代と共に変化するもので一定ではありません。
今後とも業界を索引する魅力的なメディアとして、健全かつ公平な運営を進められることをお祈りしております。


また最後になりますが、ライター様へは結果的に過度な御対応を求めることになってしまったことをこの場でお詫び申し上げます。


メールでのやりとりはこれで終了です。


「まとめ・2」 については TRILL に URL は通知していません。
しかし文中にあげた疑問点にカッチリ返答が戻っていることから、こちらの同行がチェックされて続けていることの確信は持てたので、 twitter アカウント上で「まだちゃんと見てますからね」のアピールは続けます。



web ニュースサイト「BuzzFeed」編集者の narumi 氏が twitter で当ブログまとめ記事を呟いたのを指してのことです。



無茶とわかっていて言っている post 。

しかし実際、チェックしないことにはどこまで有言実行したかも判断できないので、軽く記事を改めてみます。
すると既に削除に動いていたらしく、コンプライアンスの不明瞭だった7月以前の記事はすべて消えていました。




と、思っていたのですが残った記事に目を通してみると、いまだ無断転載ではないかと疑われる画像が残っていました。







日本人(著名人)の画像転載は所属会社への特攻(転載許可の確認)もかけやすいので別にピックアップしておきます。



その翌日、改めてサイトをチェックしたところ上記の記事が消え、「削除についてのお知らせ」のページが掲載されていました。
trill-corp.jp



寝ている間に削除が進行していたようです。


TRILL は web だけではなく専用モバイル・アプリケーションも開発しているので、そちらはどうなっているかな?とチェックしてみました。
そちらはちょっと残念な結果でした。






ということで、私個人の削除申請&再犯防止対策の要望についてはすべてご対応いただけました。
対ヤフー傘下メディアの決着としては順当な落としどころではないかと思っています。


今回の私の要望(のようなもの)をまとめると以下の通りでした。

  1. 私に著作権が帰属する写真をサイト上から削除すること
  2. 同様に転載許可を得ていないすべて画像の削除
  3. そのために過去記事をすべて精査すること
  4. その結果を公式に報告すること

最初は 1 の条件だけでしたが、対応から先方の転載問題についての理解の浅さを感じ要求を追加しました。
「お前、そんなコピペメールで対処しきったつもりでいるみたいだけど、そもそもこの件のどこが問題なのかマジでわかってんの?わかってんならどうして対処してないの?無能なの?」ということです。



この全てが通ったのは TRILL 側にも利があったからです。

「現在の社内規定に準拠していない転載画像」は TRILL にとっては不発弾のようなもので、今後、同様の削除要請が来る可能性は高く、騒ぎ立てられたり、訴訟沙汰になるおそれも大きい。これを機に芽は摘んでしまおうという判断は適切でしょう。

自らの非を認める「お知らせ」のリリースにしても、単なる転載削除の報告だけより「改めて見直し実行しました」という結果報告の方が、改善のイメージが付加されるだけ出しやすいのではないでしょうか。
削除点数など報告書状でのまとめまでを求めるのは無茶かな〜という感じはあるので、再犯が起きないならヨシとしての Win-Win な幕引きです。


しかし、上記のメリットが発生するのは広告枠でガッツリ稼いでいる社会的信用を保持する企業だけです。泡沫まとめブログなど、元から信用度の低い媒体に対しては無意味な提案でしょう。そのような場所に転載された場合は、前段階をすっ飛ばして賠償請求からアクションを起こすのも手だと思います。申告された画像を削除する手間以外の損害は生じないのですから、懲りずに同じ手を繰り返すことが目に見えています。



どちらにしても画像の無断転載を発見した場合しなくてはならないことは、一にも二にも証拠固めです。
魚拓(キャッシュ)は国内/海外ふたつのサービスで取得しておきましょう。サイトのスクリーンショットを取り、プリンターがあるならプリントアウトもしておくべきです。

「訴訟とか考えるだけでも面倒臭いんで…」という場合でも削除申請くらいは送ってみましょう。おそらくは数日内に対処されますし、されなかったら集めた証拠をもとに騒ぎ立ててれば普通は消します。面倒臭いやつだと記憶されれば、それだけ転載の数は減るはずです。

ムカッ腹が立ったら先人にならってバトルしてみるのもいいでしょう。
以下に有用かと思われる記事を貼っておきます。


www.photo-yatra.tokyo

togetter.com

togetter.com

botslyr.nakashima723.info

togetter.com


こういうのに比べたら TRILL はなんて良心的なんだ……とうっかり感動しかけますが、これもヤフーをインターネットのご意見番達が締め上げたお陰でしおらしくなっているという結果あってのものなので、これからもダメな部分にはきちんとダメ出ししていこうな!!



繰り返しになりますが、私自身は「無断転載=ダメ!絶対!」主義ではありません。どっかの掲示板とかSNSとかでカスタムしたおにんぎょが褒められてるの見つけるとかふつうに嬉しい……個人ブログから持ってくんなキーッ!ってやってる委員長を見ると、そんくらいいいだろ……いいのよ……ってなる……すっごく場合による……。(しかしどのような時でもローカルルールは優先されるべきである)

ただし、その画像がどんな使われ方をされるにしろ作った者には敬意が払われるべきだし、それで金を稼ぐというならば制作者に金銭的還元が行われるべきだとは思っています。
でもまあ、よっぽど嫌っているところじゃなければ web ならタダで貸しますし、まずは一声掛けろという話です。
必要なのは良識と書いてモラルと読むではないでしょうか。



アイキャッチ画像がないのも寂しいので、撮って出しであんまり可愛く撮れていないうちの猫を置いておきますね。
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